ドイツ通信・自然が織り成す「持続可能」なマジック - ガーデンショー

【スタッフErikoのドイツ通信 】

9月も半ばに入り、ここバイエルンでも今週から新学期。

例年なら、そろそろオクトーバーフェスト開催の時期ですが、昨年に続き今年もコロナ禍でキャンセル。

お祭り好き・ビール好きにはがっかりですが、でも公式イベントはすべてNGというわけではなく、うれしいことに多くのイベントがまた少しずつ開催されるようになりました。

その1つが、ドナウ地方のインゴールシュタットで開かれている「ガーデンショー」です。ガーデンショーは、「園芸」に特化したメッセ(展示会)のこと。

ドイツはガーデンショーの宝庫で、ここバイエルンでも1980年以来定期的に州のどこかで開かれています。

ガーデンショーを行うことで、開催地のエコ環境や地元民のQOL改善が見込まれることから、「町興し」としての役割も大きいようです。

インゴールシュタットのメッセは去年開催の予定でしたが、コロナの影響で1年延期されました。

今回の園芸メッセでは、「サステナビリティ(持続可能性」をテーマに、様々な庭造りの形が紹介されています。「サステナビリティ」については、特に環境問題や省エネ対策との関連で最近メディアでも耳にすることが増えましたね。

すごくざっくり言うと、「いつまでも環境に・地球に優しい生き方を目指そうよ」ということかなと私は理解しています。

これはマリエンの企業哲学の支柱の1つでもあります。

また今年は"Inspiration Natur (自然をインスピレーションに)とのモットーを掲げているだけあって、フルーツや野菜・植物たち・水など、自然の恵みが屋外を問わずクリエイティブに活用されています。

芝生に囲まれた暖色系の不思議な形の花壇や、触感の異なる様々な植物を用いた「巨大生け花」、セピア風の植木鉢に植えられた鮮やかな胡蝶蘭など、素敵な演出がいっぱい。またビールの原料ホップがたわわに実った様子にはバイエルンの田舎の趣が感じられますし、もこもこ羊もなかなか強烈なインパクトです。フルーツたちも大活躍。

丸っこくかわいらしいイチジクの果実、青リンゴの発する爽やかオーラ、南国パインやカカオの実に鏡の神秘をプラスした作品など、自然派アートの魅力も満載です。野菜だって負けてないぞ。

普段はどうも地味な印章のカリフラワーやキャベツも、アートの力で逆にナチュラルが光る作品に。

トマトや唐辛子も華やかさを添えます。
奇抜な芸術的アイディアも多数発見。
屋外用ほうきや「太陽の歌」などと書かれた多数の垂れ幕にはどんなメッセージが込められてるんだろう~。さらに「フランケンシュタイン」も登場。

なんでだろうと思ったら、原作ではフランケンシュタイン博士は今年のガーデンショーの開催地インゴールシュタットの名門大学で自然科学を学んだ設定だかららしいです。また自然を語る上で欠かせないのが「水」。

会場では、水をテーマにしたキッズコーナーをはじめ、地面より低い堀を歩く人が、一見すると服を着たまま群れずに水中を歩いているように錯覚させる「水のトリック」など、楽しいセクションもあります。そのほか、「チャイニーズハウス」や「ロシア風丸屋根」など、特定の国や地域に特化したセクションも充実。

国際面での持続可能性も配慮されているようです。Wikiによると、持続可能性にはエコロジーのほか、政治・経済・文科の領域も含まれるとのこと。

コロナ禍に加えて、世界各地で情勢が不安定な日々、今後これらすべての分野で、サステナビリティがもっと実践されていきますように!