ドイツ通信・夏旅行レポート No. 2  小休止・リセットの「バルト海」

【 スタッフErikoのドイツ通信 】急ピッチで秋が深まり、もう10月ですね。
マリエンでは、このたびおかげさまでリニューアルの運びとなり、スタッフにとっても2020年秋は記念すべき季節となりました。
このブログも合わせて、今後ともマリエンをよろしくお願いいたします。

さて、前回からお届けしている夏旅行レポート、後半の今日はバルト海のお話です。

海から遠く離れたバイエルンで暮らす人々にとって、ドイツ北部のバルト海は常に憧れの場所。

例年、夏を中心に休暇スポットとして人気ですが、コロナの影響で海外旅行が制限されていることもあり、今年はますます人気を博しています。

前回ご紹介したリューネブルガーハイデから、ドライブすること約5時間。
私たちは、デンマークの国境にほど近い小な村のゲストハウスに1週間ほど滞在しました。

実はここを訪れるのは今回で2回目。
2014年夏に訪れたときと同じゲストハウスをレンタルして、オーナーご夫妻とも久々の嬉しい再会となりました。

少しずつ秋が近づいているバルト海沿岸は、気候も穏やか。
また滞在場所が人気の観光スポットから離れていたこともあり、真夏のインテンスなビーチシーンをフルアクティブモードでエンジョイするというよりは、ちょっとスローダウン・トーンダウンして、正に「小休止」の数日でした。

また今回は再訪ということで、「あれも見たい」・「あそこにも行かなきゃ」という無意識のプレッシャーもなく、気の向くまま潮風に吹かれてサイクリングを楽しんだり、自然保護区でローカルな植物を観察したり、水鳥たちの鳴き声に耳を傾けたりと、気ままなリラックスタイムを過ごすことができました。

近所のカラフルな灯台、自然のまま手を加えていない荒削りらしい遠浅のラグーン、人影まばらな日没の浜辺。
どれも懐かしく、それでいて新鮮で、知らず知らず心身がリセットされていくのを感じました。


また、おとぎ話に出てきそうなわらぶき屋根の家々、地元の人たちの穏やかでフレンドリーな話し方、そして海風によって角のとれたソフトな日差しなど、この地域の威圧感のない優しい雰囲気にも癒やされました。
ですが、まったりオンリーではなく、ちゃんと新規の体験もありました。
ゲストハウスのオーナーのご主人はプロの考古学者で、なんと多忙な中、私たちをプライベートな考古学ツアーに連れて行ってくださったのです。

彼のチームが再建を手がけた約5000年まえの巨大墳墓や、バイキング時代のルーン文字の刻まれた石碑など、地元のニシン料理のランチを挟んで、素人にもわかりやすいように丁寧に解説していただきました。

この日の印象は数週間経ったいまでも鮮やかに心に残っていて、岩に刻まれたルーン文字を自分の指でたどった感触を思い出しては、遥か古代に思いをはせたりしています。

ご当地グルメとしては、やっぱり魚料理ですね。
とくにマリネやスモークフィッシュは人気で、レストランを併設した専門店もあります。



うちでも、シェリービネガーに漬け込んだニシン・繊細で触れると身が崩れてしまいそうなオヒョウのスモークなど、お店の人にアドバイスしてもらいながら何種類かゲットしてきて、夕食にいただきました。

魚は、生食か、グリルなど普通に加熱調理したのがやっぱり一番美味しいんじゃないかと、魚天国日本で生まれ育った私はつい思ってしまわないこともないのですが、でも渡独以来、海から遠く離れた生活、しかも最近は「地産地消」を実践すべく、大好きなのに普段の食生活ではできるだけ海産物をカットしてるので、久々の「海の味」はやっぱりうれしかったです。

あぁそれと私のお気に入り、「シュトランドコープ」にまた座れたのも良かったです。
シュトランドコープは、北ドイツの海岸地域ならではのスペシャルアイテム、日よけ・風よけができる一人用の屋根付きデッキチェアーです。

ビーチでレンタルもできますし、海岸沿いのお店では普通の椅子代わりに置かれていることも。
潮風や海の香りを感じつつ、かつプライバシーも確保できるところがありがたいです。私が住む南ドイツでは見掛けないのでちょっと残念。

帰宅して数週間。
バルト海の砂浜での日没の神秘的なひと時も、カモメ以外だれもいないかすかに雲がたなびくビーチも、思い出に変わりつつあります。

大切に育んで、グレーな日が増えていくこれからの季節を元気に過ごすための糧にしたいと思います。

秋口から元気に過ごすためのセルフケアには、ディフェンスブレンドもお忘れなく。