(ドイツ通信・夏休み特集 Vol.3 )いろとりどりの鳥たち
【スタッフErikoのドイツ通信 】
皆さんのなかで、鳥好きの方、鳥に詳しい方はいらっしゃいますか。
今年の夏休み特集「心なごむ身近な動物たち」の第3弾として、今回は野生種を中心に、近くにいるけどあまり普段意識していない色も種類も様々な鳥たちに改めてスポットをあててみたいと思います。
「ドイツの鳥」と聞いてまず私が最初にイメージするのは、「クロウタドリ」。
その名の通り雄は全身黒で、長い冬が去って暖かい季節がやってくると、快活でメロディアスなさえずりを聞かせてくれます。
煙突の上や屋根のてっぺんなど高いところで、朝から晩までひっきりなしに歌声を披露、我が家のテラス近くにもやってきます。
鳴き声も姿も地味だけど生け垣などにたくさん止まって大勢でちゅんちゅんやってる「スズメ」や、グルルルルという独特の鳴き声が特徴的な「ハト」、そしてお世辞にも美声とは言えないけど逆にあのハスキーボイスがたまらない「カラス」なども、私たちの生活空間に存在する鳥たちです。
これらの鳥は日本でもお馴染みですが、鳴き声がちょっと違うようなので、生息地によって種類が異なるのかもしれません。
渡り鳥の「コウノトリ」もドイツでは人気者。
「どこどこの街に巣を作った」とか、「ひなが生まれた」とか、ローカル紙でも話題になります。
またハイキングに行くと、「タララララアアアアアア」とキツツキが木をつつく軽やかな音よく耳にします。
欧州からアジアまで広く分布している「アカゲラ」は、黒、白、赤の3色からなることから、ドイツ語では「ブンテ・シュペヒト (カラフルなキツツキ)と呼ばれています。
また庭の枝などに逆さにぶら下がったりする軽業師、全身カラフルで派手な出で立ちの「シジュウカラ」や「アオガラ」もバイエルンでよく見かけます。
ところでドイツには、ウグイスの「ホーホケキョウ」やホトトギスの「テッペンカケタカ」のように、鳥の鳴き声を人間の言葉に当てはめる「聞きなし」の習慣はないようですが、シジュウカラはその鳴き声から、「ツィーツィーベー」とも呼ばれています。
鳴き声からきてるのかどうかはわかりませんが、ミミズクの仲間では最大の「ワシミミズク」は、ドイツ語では「ウーフー」です。
その響きからはなんだか憎めないイメージがうかんできますね。
水辺の鳥としては、「マガモ」や「キンクロハジロ」なども近所の湖で見かけます。
どちらもカモの仲間らしいんですが、ドイツ語名にはアヒルを意味する「エンテ」が入っていてちょっと紛らわしいですね。
紛らわしいと言えば、「サギ」と「シギ」は日本語の音が似通っていますが、全く別な種類の鳥たちですね。
「サギ」の仲間は我が家の近所でもわりと見かけますが、シギは種類によっては年々少なくなっていて、例えば「シャクシギ」は、牧草地帯の広がるドナウ地方でときどき観られるだけになってしまいました。
めずらしい鳥と言えばチドリ科の「タゲリ」も絶滅が危惧される鳥だそうです。
後頭に突き出た長い羽が特徴で、この辺りでは動物園でしかお目にかかれません。
日本語ではおいもみたいな名前の「ヤツガシラ」も、アルプスの北に位置するドイツではちょっとめずらしい存在。
南欧などに分布し、小柄なのに、「フープ・フープ」とやかましい声を発します。
キジの仲間である「コウライキジ」は、狩猟鳥として世界中に輸入され、日本にも生息しているようですね。
南ドイツには海がないので、海鳥に出会うにはバルト海や北海まで出かけて行かなければなりません。
日本ではそうめずらしくないですが、南ドイツからの観光客は「カモメ」に出会うと、遠くまできたぞ感満載で「おおおおおおお!!!」って感じになります♪
渡独して間もない頃、「ドイツって素敵なだ」と感じたことの1つが、鳥たちの歌声です。
以来、色とりどりの歌声に元気付けられたり、癒やされたり、私の日常は鳥とともにあります。
ですが今回改めて調べてみて、和名でも初耳だったり、名前はなんとなくしってるけどどんな鳥かクリックしないものも多くて、ちょっと申し訳ない気持ちになりました。
これからもっと意識的に周囲のいろいろな鳥を感じてみようと思います。