ドイツ通信・夏休み特集「食べるハーブ」 インパクトばっちり魚料理に欠かせない「ディル」
【 スタッフErikoのドイツ通信 】 もう7月も半ばを過ぎましたね。今年はコロナによるロックダウンの影響もあり、なんとなく時間や季節の感覚がずれたまま夏に突入した感じですが、ここバイエルンでは今週で学校は終了、来週から6週間の夏休みに入ります。
そこでこちらのブログでも、今週から4回に渡り、「夏休み特集」をお届けしたいと思います。 この夏の特集のテーマは、「夏にも美味しい食べるハーブ」です。
マリエンでは、長年にわたってメディカルハーブティー、つまり「飲むハーブ」を皆さんにお届けしています。 各ブレンドティーに配合されているハーブの特徴や効果についてもサイト等でお伝えしていますし、実際に続けて愛飲していただき、それぞれのハーブの香りやテーストはもうすっかりお馴染みという方も多くいらっしゃることと思います。
そこで今回は、おなじハーブでも食べる方に焦点をあてて、ドイツの日常では飲むハーブティーの他にどんなハーブの楽しみ方があるのか、特に暑い夏の時期にもおすすめのアイディアを中心に、いくつかご紹介したいと思います。
今日はその第一回目、トップバッターを飾るのは「ディル」です。 ディルは、辞書を引くと、「イノンド」という和名でも登場します。セリ科の植物で、強い独特の芳香があるので、料理に入っているとすぐ「あぁディルだ!」と分かります。
古くから生薬として用いられ、特に胃の膨満感や腸内ガスに対して効果があるとされています。 料理では、アクセントのある華やかな香りが、魚の特有の臭みを消すのに有効なようで、魚との組み合わせで多く用いられています。
例えば、まだ暖かいポテトサラダに、スモークフィッシュ(我が家ではマスを使ってみました)の切り身をざっくり乗せたものなど。また、これは特に北ドイツで多く食されているようなのですが、ニシンの酢漬けを使ったサラダにもよく合います。
ドイツでは、ニシンは人気の食材で、特に塩漬けや酢漬けの形で売られていることが多いです。 ディルをたっぷり入れたニシンのサラダは、一晩冷蔵庫で冷やして翌日いただくと、味がなじんで特に美味しく、酢漬けの酸味が食欲を刺激して、夏場でも無理なくいただけます。
魚以外では、ディルはキュウリやポテトとの相性が良いです。キュウリのサラダにディルを加えると、夏にもぴったりの爽やかサラダに。 刻んだディルやキュウリをたっぷり入れたヨーグルトやサワークリームベースのソースを、魚料理や茹でたジャガイモに添えても、素敵な一品になります。
以上のように、「ディル=魚・キュウリ・ポテトにぴったり」というイメージがどうしても強いですが、他の食べ方もあります。 例えば、スープのトッピングにディルをひとつまみ加えると、途端にスープ全体が生き生きした印象になります。
また私がメンバーになっている「食い気の会」で質問してみたところ、たっぷりのディルとインゲンマメ、それにレモンのスライスをたくさん使ったトルコ風のベジタリアン煮込みを教えてもらいました。
これはデトックス中にも食べられてありがたい一品。
またパン食が多いドイツでは、ディップやスプレッドも人気です。例えばヒヨコマメのディップにディルを入れると、とたんに元気な「主張するスプレッド」に早変わり。
でもディルはお肉料理にはあんまり向かないのかなと思い、検索してみたところ、唯一ディル入りミニハンバーグのレシピを発見しました。 とは言っても、肉ダネにサーディーンやケッパーのピクルスも加えてちょっと酸味がある味付けになってたのでデ、ディルのテイストを生かそうとすると、やっぱりちょっと酸っぱい方向になるみたいです。
資料によると、ディルには唾液や胃液の分泌を促して消化をサポートする働きがあるとか。食欲が落ちやすい猛暑の夏を、元気&爽やかテイストのディル料理で乗り切りたいですね!
夏のさわやかな風味、デオブレンドとも相性よさそうです。