ドイツ通信・心身ぽかぽか ウィンター・ビアガーデン

【スタッフErikoのドイツ通信 】

寒さが増し、確実に冬進行中の南ドイツです。

もうすぐクリスマスシーズンスタートだというのに、ここバイエルン州では先週半ばに「クリスマスマーケットは全面キャンセル」のショッキングなニュースが流れました。
コロナ第四波による感染拡大に歯止めがかからず、深刻な状況を受けて、州政府も苦渋の決断をしたようですが、何しろ昨年に続いてのキャンセルということで、クリスマスを重視するドイツの人にとっては大きな打撃です。

静かな波のような失望感が街中に漂うなか、「冬のビアガーデン始めました」の広告を見付けました。

パン屋さんもやってて、バイエルンの郷土料理が美味しいお店、我が家からも近く、ときどき利用しています。さっそく自転車とばして出かけてきました。

近くに歴史の古い教会や修道院、ハーブ園などもある趣深い閑静な一角。
入り口ゲートからなかに入ると、なんとも「それらしい」サンタさんがお出迎え。
夏にビールを飲むお客で賑わっていた「典型的なビアガーデン」が、クリスマスの飾り付けですっかり冬モードに変身、なんともメルヘンチックな光景が展開していました。
屋根付きの静かなコーナー席が空いてたので、さっそく席へ。いそいそとメニューをチェック。ベンチにはクッションの他寒い時に使える毛布もスタンバイ。

テーブル上も毛皮の敷物やキャンドル・植物の枝などで冬の魅力を演出。
コロナ対策でテーブル間の距離も広くとられていて、落ち着いてひと時を過ごせます。

クリスマス時期の典型的なホットドリンクと言えば、やっぱりスパイス入りの「グリューワイン」。
ロゼとレッドのをそれぞれためしてみることに。

こうして戸外のスタンドでホットドリンクをオーダーするのは、ちょっとクリスマスマーケットっぽくて、気分がupしますね。

通常のクリスマスマーケットでは、焼きソーセージやローストナッツなど、簡単にさくさく食べられる「立ち食いフード」が基本ですが、ここはもともとレストランなので、別注文で本格お料理もオーダーOK。

がっつりなお肉料理をはじめ、チーズアソートやサラダなどの軽食もあります。
私たちはバイエルンの典型的なチーズサラダとパンのプレートをオーダー。

そう言えばこのお店、例年だとビアガーデンは秋の訪れとともに終了、後は地下の店内のみで営業なので、冬に戸外のテーブルで近くの教会の鐘の音を聞きながら飲食したことなかったな。
クリスマスムードたっぷりの「ウィンター・ビアガーデン」という新たな企画、なかなか新鮮でわくわくしました。

ドイツの11月は湿気をおびた寒さが骨身にこたえる季節。

ですがあちこちに設置されたガーデンヒーターのおかげで、夕暮れ時でも差ほど寒さを感じることなく、心身ともにほっこり、優しい時間を満喫できました。
「マーケットもキャンセルだし、他のイベントも合わせて次々に中止になるだろうし、今年もクリスマスらしいクリスマスはなしだな」なんて、ちょっと投げやりに考えていたけど、いやいやそうすてたもんでもないかもしれないぞ。

情緒深い街の片隅にすっくと現れた素敵なウィンター・ビアガーデンに、希望の火をかき立てられて帰宅した週末でした。