ドイツ通信・頑張れ!バイエルンの伝統パン屋さん!

【スタッフErikoのドイツ通信 】

先週から今週にかけての2週間、ここバイエルン州では「バイエルンのパン スペシャルキャンペーン」が展開中です。

大手放送局の番組による企画で、「バイエルンのパン職人の伝統、そして彼らが確かな原料で作るふるさとパンに、今こそ改めてスポットライトを!」という試み。各地のパン屋さんでバイエルンならではのパンレシピなどを掲載したパンフレットを配布、テレビでもパンに関する特集番組が放映され、ネットでもパンの正しい保存方法やパンにあうスプレッドについてなどの選りすぐりのパン情報が掲載されています。

ドイツのパン文化はなんとUNESCOの無形文化遺産にも登録されており、1年のパンの消費量は各家庭で平均42kg以上と言われています。

他のお店が閉まっている日曜日や祝日も、ベーカリーだけは特別許可証で営業OK。正に筋金入りの「パンの国」です。ですから、パンの新鮮さや焼き方、また原料にこだわりを持った人も多いです。

朝からわざわざ近くのパン屋さんまで一走りして朝食用に焼きたてパンをゲットしてくる、なんていう光景もめずらしくありませんし、コロナ下では定期的に朝フレッシュパンを届けてくれるデリバリーサービスも盛んに利用されています。

また自宅でもパンを新鮮にストックしておけるよう、各家庭に専用の「パンケース」があります。ちなみに、ドイツパンは一般にどっしり・がっしりな触感。

日本のサンドイッチパンのようなふっかふかのパンには、渡独以来まだ一度も巡り会ってません。

自宅でパンを焼く人も多く、レシピ交換も盛んに行われています。

私もいくつか気に入ったレシピがあり、時々焼いています。

自然食品のお店で穀物をホールで購入、愛用のキッチンマシーンに粉砕や捏ねる作業を手伝ってもらって、もう何年も使っているパン型に入れて焼きます。ライ麦にを中心にいくつかの穀物を加えた素朴な味わいのミックスパン、茹でたジャガイモが入ったもちもち触感のポテトパン、そしてヘーゼルナッツやパンプキンシードなど好みのナッツや種類を好きなだけごろごろ詰め込んだジューシーなパンが特にお気に入りです。また、クルミが手に入った時は、山羊のチーズの角切りと一緒にパンに入れて焼いてみたり、気が向くとあれこれ実験しています。

全粒使用するせいか、焼き上がりは市販のものより色が濃くなるようです。キッチンにふんわりとパンの焼ける香りが立ちこめると、ぎすぎすしがちなロックダウン中でも、なんとなくほーんわかした気分になれます。

ですが、自宅で作るのが難しいパンも。

例えばクラシックなドイツパン、プンパーニッケル。ライ麦が主原料、密度の濃い黒パンで、独特の酸味がスモークフィッシュやチーズによく合いますが、低温のオーブンで20時間も焼くので、自宅で作るのはちょっとチャレンジ。

市販のものは日持ちするので、私は帰国時のお土産にも活用しています。

それに、プロの作るパンは何と言ってもうまい!

作るプロセスそのものが楽しくストレス解消になるので自分でもたまに焼きますが、美味しさに関してはやっぱりプロにお任せ、近所のパン屋さんにもよく足を運んでいます。ドイツ各地でその地域ならではの名産パンがあると思いますが、バイエルンのパンと聞いて私がまず思い浮かべるのは「農家風パン」でしょうか。外側のクラストはパリパリ、なかはしっとり、サワードーベースで、ほんのり酸味のある、ちょっと無骨な感じがなんとも素敵なのです。

パンの特集でインタビューを受けた女性も、「私はフランス料理が大好きなんですけど、ずっとフレンチバゲットばかりだとなんだか不満になってきちゃうんです。朝食にバイエルンの農家風パンのない生活は想像できません」と語っていました。

誠実な原料選びと、伝統に支えられた職人技。

バイエルンのパン文化は、私たちマリエンの会社哲学と共通する部分が多いみたいです。

今後もバシバシ応援していきたいです。

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