ドイツ通信・6月が自由を連れてきた - 期待膨らむ制限緩和

【スタッフErikoのドイツ通信 】

昨年秋に2度目の本格ロックダウンに突入して以来、なんと7ヶ月にも及んだ緊迫の日々。
それが今、6月の訪れとともに明るい方向へと劇的に変わろうとしています。

なかでもここバイエルン州では一貫して厳しいロックダウン対策が実施され、私たちの日常は大きく影響を受けました。


授業はオンライン、お店は休業、イベントはキャンセル、飲食店はテイクアウトのみ、個人で集まれる人数も制限され、夜間の外出が禁止された期間もありました。

また経済的に打撃を受けた企業や個人も多く、加えて入院中の家族を見舞えない、何日も学校のお友達に会えないといった精神的なストレスを抱える人も多かったです。

ですがありがたいことに、この間にワクチン接種が進み、感染状況も改善してきました。

ドイツでは、「過去7日間の10万人あたりの新規感染者数」が基準になっていますが、バイエルン各地でこの数値が30人以下にまで低下。

現時点で17歳以上の市民の50%は1回目、20%が2回目のワクチン接種を終え、感染リスクが大幅に減少したことも、制限緩和の後押しになっているようです。

感染状況により多少地域差はありますが、先週はまず飲食店の屋外テーブルが解禁に、そして今週からは、店内での飲食もOKになります。

つい先日まで、ビアガーデンも空っぽ、シンボルの栗の木はちょうど今が花盛りなのに、だれもいないなかひっそり咲き誇っているという状況でしたが、今月に入っていきなり活気が戻ってきました。


何ヶ月かぶりで屋外で飲むルバーブジュースとラードラー(炭酸系ソフトドリンクとビールをミックスしたもの)、全身に染み渡るように美味しかったです。

先週は晴天も手伝って、レストランも軒並み大盛況。
ちなみに食べてるとき以外はマスク着用必須です。


我が家も思いつきで近所のグリークレストランへ久々に足を運んだのですが、周囲にたくさん人がいるなかで食事すること自体あまりに久しぶりで、なんだか現実感の薄いふわふわした変な感じでした。

屋外での運動や散歩はロックダウン中も許可されていたので、戸外に人がいることは普通でしたが、緑深まる初夏のこの時期はリフレッシュに最適。


週末の川沿いのサイクリングにも、気晴らしのハーブ園への散策にも、「解放!」の雰囲気が溢れていました。

またイベント関連でもうれしい変化が。
何ヶ月もの準備を要する大がかりなものは間に合いませんが、急遽コンサートの開催が決定したケースもあり、お友達から誘われて、私たちも大好きなジャズバンドの演奏に出かけてきました。


昨年秋以来、ずっと延期になっていた待望のコンサート。
オンラインイベントもありがたかったけど、やっぱりライブは心身にずーんときますね~!

例年夏に開催される野外ステージでのミュージカルイベントも、今年はだめかなぁと諦めていましたが、先日近くを通りかかったら何と舞台準備がされていました!
来週開幕らしいので、こちらも楽しみです。

ところで、夏はビールだけではなく、アイスも美味しいですよね。


ドイツの人は、「アイスを食べる」というのを1つの確立したイベントとして大切に捉えるところがあり、今回の制限緩和に関する街頭インタビューでも、おじさんが「久しぶりにアイス食べてきた」とうれしそうに報告していました。
その気持ち、分かるな~。

スポーツや趣味関連の施設も次々に復活。
ドイツの子どもたちに人気の乗馬もやっと再開で、姪っ子も喜んでいます。

個人宅で集まれる人数も増えたので、家族や友人との会食もまた気兼ねなくできるようになりました。

度重なるロックダウンの延長、あれもこれもNGの心許ない毎日。
息を潜めるような日常のなか、ロックダウン解除の時がきたらうれしくて小躍りしたくなるかと思いきや、実際には戸惑いも多く、「ほんとにまたこれやっていいのか?」と手探りで進むような感覚です。

まだコロナが消えたわけではないので、焦らずに、じわじわとこの開放感を味わいたいと思います。

日本でもオリンピックの開催が近付くなか、緊急事態宣言が延長され、不安でもどかしい気持ちを抱えて日々お過ごしの方も多いことでしょう。


心からの共感と、1日も早い事態の収束を願う気持ちを、この場を借りてお届けしたいです。

そして皆さん、くれぐれもお身体大切にされてくださいね!