2021年 7月 07日ドイツ通信

ドイツ通信・平凡こそこの上ない幸せ - ファミリーバースデー

【スタッフErikoのドイツ通信】

先日は義父の81歳の誕生日で、久々にみんなで集まりました。

ドイツの人にとって誕生日は大切なイベント。
日本のように、周囲の人が「祝ってあげる」というより、当人がすすんで友人や親戚を招待、キッズパーティーだけじゃなくて、大人もしっかりお祝いします。

50歳とか70歳とかの「区切り」の年はとくに重要で、遠方に住んでる人も泊まりがけでやってきます。今回、それぞれ海外留学中の姪っ子二人が帰国。

去年は80歳の記念のバースデーでしたが、コロナへの懸念でお友達や近所のお知り合いも呼べなかったので、今年はみなさん招待して賑やかにお祝いすることに。

みんな時間をとれそうな日曜日の午前中に、カフェを予約してのブランチでした。

こういうイベントでは、家族の希望通りに店内を飾り付けしてもOK。

義姉が事前にお花をオーダー、早めに来てテーブルデコレーションをしてくれました。久しぶりに会う人、初めて会う人。ちょっと高揚した気分でひとしきりお互いに挨拶の後、乾杯タイムに。日本の宴会では、最初はビールで乾杯というのが一般的かと思いますが、ドイツの乾杯はまずスパークリングワイン。

これにオレンジジュースをミックスしたり、アルコールはパスという人や子どもはジュースだけにしたりと、それぞれニーズに合わせて対応します。

乾杯の後は、お食事タイム。ビュッフェスタイルなので、みんな好きなものを、好きなように、自分のペースで持ってきて、おしゃべりしながらいただきます。集まる人数やお店にもよりますが、ドイツの典型的なビュッフェは、パンのセレクションに、ヨーグルトやフルーツ、蜂蜜やジャムなどのスイーツ系と、ハムやチーズ各種、トマトやスモークサーモンなどのソルティー系の両方あります。

今回のお店はオムレツやベーコンエッグ、バイエルン伝統の白ソーセージなど、温かいものも追加オーダー可能で、ケーキも充実、なかなかデラックスでした。

みんなときどき席やテーブルを移動しながら、あちこちでおしゃべりの花が咲きます。義姉宅のペット犬も参加。ドイツのレストランやカフェは、大抵は介助犬だけでなくペットの犬同伴でも問題ありません。

またドイツのパーティーでは、ちょっと趣向をこらした余興やセミフォーマルなスピーチも欠かせません。

義姉家族がそれぞれ義父との思い出深い出来事を関連グッズを紹介しながら面白おかしくプレゼンしたり、夫が義父の日々の生き方から学んだ「人生レッスン」について笑いあり・しんみりありの短いスピーチをしたりと、家族色溢れるクリエイティブなひと時となりました。

賑やかで楽しい談笑タイムのあとは、お友達は帰宅。家族は義父母宅に場所を移して、気楽でまったりの午後を過ごしました。

ドイツの誕生会では、プレゼントをスタンバイさせておく「専用テーブル」をセッティングすることが多いです。いつも素敵なアイディアいっぱいの義姉手作りの3Dカードに、かずかずのプレゼントが並びます。

「お腹いっぱいであんまり食べられない」と口々にいいながら、コーヒータイム。デラックスでリッチなチョコトルテは姪の手作り、軽めのベリーのケーキは義姉の手作り。

ドイツでは、何かといっては自宅で集まることが多いので、みんな知らず知らずお菓子作りも上手になっちゃいます。そして、夏の集まりに素敵な雰囲気を添えてくれるのが「ボーレ」。

英語では「パンチ」と呼ばれ、カットフルーツやアロマハーブにシャンパンやワインなどのアルコール類を加えたリフレッシュドリンクです。

今回は、いちご畑で摘んできたフレッシュストロベリーを果実からウォッカに漬け込んた本格ボーレを義母が準備してくれてました。

ほーんのり甘いイチゴ風味で、でもアルコール度数の高い、なんとも誘惑の1品です。

「今度こそマジでお腹いっぱい」とまたみんな口々にいいながら、夕食へ。

義母手作りの「ズルツェ」がテーブルに並びます。

お肉、ゆで卵、ゆで野菜などを彩りよくゼリー液で冷やし固めた、ドイツの夏の定番メニュー。酢漬けのケッパーや刻みピクルスがたっぷり入った酸味のあるソースが、暑い夏でも食欲をそそり、更に会話も弾んで、時間を忘れてしまいそう。

みんなでテーブルを片付けたあとは、ほんとにお腹も心も満たされて、それぞれ帰途に。

コロナ以前は、当たり前のように繰り返されていたファミリーバースデー。

こうして普通に家族で誕生日を祝えるという平凡な日々こそが、この上ない幸せなのかもしれないなぁと、ロックダウン後今では、しみじみ感じています。

いつまでも元気でてほしいそんな気持ちをこめて、エイジングケアブレンドをお父様やお母様にどうぞ。