ちょっと怖い「黒いサンタクロース」はドイツ版なまはげ?
クリスマスの前に、ドイツの子どもたちが楽しみにしているイベントがあります。
それは、12月6日の「聖ニコラウスの日」です。
サンタクロースの起源は聖ニコラウス
聖ニコラウスは、3世紀から4世紀にかけて実在したカトリックの司教で、サンタさんの起源となっています。
「聖ニコラウスの日」は、もうひとり「黒いサンタクロース」と呼ばれるサンタクロースがいます。
ニコラウスのお仕事のパートナーで、ヨーロッパでは子どもたちに恐れられています。
悪い行いをした子にはお仕置きをすると伝えられ、鞭を持った怖そうな姿も、子どもたちには恐ろしく映るようです。
聖ニコラウスは、苦境にある多くの人々に手をさしのべ、たくさんの尊い行いをしたことで知られています。
その一つが、貧しさのゆえに結婚できない3人の娘がいる家族の家を3夜続けて訪れ、密かに煙突から暖炉に金貨を投げ込み、暖炉のところに吊るされていた靴下の中に落ちたとか。
この伝説が、クリスマスの日の真夜中に煙突から入ってきてプレゼントをおいていってくれるサンタクロースの起源といわれています。
ドイツはクリスマスプレゼントが2回もらえる
日本では、クリスマスといえば、アメリカ的な陽気なサンタのおじさんのイメージでしょう。
ドイツでは、そのサンタさんのイメージはなく、聖ニコラウスがクリスマスの主役です。
聖ニコラウスの命日である12月6日は、そのニコラウスさんが子どもたちにプレゼントを もってきてくれる日として定着しています。
といっても、メインのプレゼントは、クリスマス当日にクリスト・キント(幼児天使)がもってきてくれるので、それまで待たないとなりません。
12月6日は、その前の「予告編」というか、「プチバージョン」というかで、 子どもたちには大げさでない、チョコレートやクッキーなどのプレゼントが配られます。
ドイツの子ども達は、12月6日と25日、クリスマスプレゼントを2回ももらえるなんて、大人からするとちょっと羨ましいです。
「黒いサンタクロース」クネヒトさんは、ドイツ版なまはげ
ニコラウスさんのお仕事のパートナー、「黒いサンタクロース」とも呼ばれるのは、クネヒト・ルーブレヒトさんです。
ニコラウスさんは、子どもたちのその年の行いが詳しく書いてある記録簿を持って 12月6日に子どものいる家を訪ねます。
今年、悪い子だったか良い子だったか、またどんな悪いことや良いことをしたのかを、子ども本人の前で読み上げます。
良い行いには、ニコラウスさんがプレゼントをくれます。
でも、悪い行いには、クネヒトさんに若枝でお尻をたたかれたり、袋に入れられて連れ去れてしまうとも言われています。
いろんな国で似たような黒いサンタクロースがいます。
オーストリア
最も有名なのが「クランプス」です。毛皮をまとい、角のある恐ろしい面をかぶり、鎖や鈴を鳴らして悪い子を脅します。
スイス
「シュムッツリ」という従者が、茶色や黒のフード付きの衣装をきていて、煤で汚した顔、長いひげが特徴で、袋と枝を持っています。
フランス(アルザス・ロレーヌ地方)
従者は「ペール・フエタール」で、「鞭打ちおじさん」という意味です。黒い衣装に長いひげで、悪い子を鞭で罰します。どの黒いサンタクロースもなんとなく日本の「なまはげ」の風習と似ていますね。
現在は、クネヒトさんのお仕置きも時代とともに変わり、お尻たたきはなくなり、石炭やじゃがいもを置いていくというふうに変わってきています。
実際のお尻たたきがなくても、怖そうな恰好をしたクネヒトさんが若枝の鞭を持って近づいてくるのは、子どもにとっては怖い存在みたいです。
この時期になると、ドイツの子ども達は急にお行儀がよくなるようですよ。
怖いクネヒトさんがさんが来る日だけれど、聖ニコラウスの日は、子どもにとって楽しいお祭りの日なのです。
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